No:18種別:無形民俗文化財指定の有無:06/27/90指定

文化財の名称: 字宮平の獅子舞
「猿手」を演じる後継者の中学生たち


説 明:
 字宮平の初代の獅子は首里王府から拝領したものであると伝えられているが、
年代ははっきりせず今次大戦で行方不明となった。現在の獅子は、2代目で、ハワイ在の
宮平出身者の有志により1950年に寄贈されたものである。

 舞型には尺の手、六尺、マーイ手、猿手、ムッチュー、巻捨、カクジシリの七種類がある。
 「尺の手」は三尺棒、「六尺」は六尺棒で獅子を誘い出す。「猿手」は、初め二匹の猿が
逆立ちをしたり、じゃれ遊んだ後、獅子に向かって「チャウチャウ」と呼びかけ誘い出す。
「マーイ手」も同じく二匹の猿が紅白紐の両端に結び付けた毬をもって「与那節」で踊る。
その後獅子が飛び出して猿を追いかける。「巻捨」「ムッチュー」「カクジシリ」には「シー
サーワクヤー」はなく、獅子の演技から始まる。

 各舞型に共通する技として「三方」(獅子頭は、上を向いたままの姿勢から急に早く
歩み前方に跳び、獅子頭を前肢の間に入れて、すぐ上を向き立ち上がりアゴを引き
正面を向き、獅子頭を半回転させ片足を前方に出しながら獅子頭を突き出し、下の姿勢に
戻る。以上の動作を正面、右、左、正面の順にスピーディーに行う)があり、演技の初めと
終わりに採り入れられている。これは宮平独特の技であり、獅子舞の中核をなすものである。

 毎年行われる八月十五夜の演目のうち獅子舞は最も人気が高く区民の誇りでもある。
特にその中で、「猿手」と「カクジシリ」(顎を床面につけ周囲を見回しながらゆっくり立ち
上がっていく、顎を逆にし同様に演ずる)は、見ごたえがあり他地域に類をみない。

 獅子舞を演ずるには、相当の体力と技術が要求されるため、後継者養成には苦労して
いるところが多い。そういう中で字宮平では「獅子舞保存会」が結成され青年層を中心に
して獅子舞を後継発展させていこうとの気運が盛り上がってきた。
 近年、ハワイに「里帰り公演」を果したり、県内各地の「まつり」に出演するなど、宮平の
獅子舞に対する県内外の評価は、以前にもまして高まってきた。


所在地:字宮平保持団体:字宮平連絡先:889-6655

備考