離島・へき地から高校進学する生徒への支援に関する意見書
日々、教育発展のために、御努力いただいていることに敬意を表します。
沖縄県は島嶼県であり、多くの離島・僻地の小中学校が存在しますが、その殆どの地域で高等学校がないために中学校卒業・高校進学で、親元を離れ都市部で生活することを余儀なくされています。
2012年2月20日掲載の「沖縄タイムス」記事で、県内14市町村21離島で今年3月に中学校を卒業した生徒の保護者へのアンケート結果と分析が掲載されています。その中で、中学校卒業・高校進学後の住居は「民間アパート」と回答した人が58人で約60%、1ヶ月に必要な生活費も「5万~10万」50%、「10万~15万」32%と回答されています。更に全体の81%の保護者は、経済負担や子どもの生活、進路選択などを理由に、公立寮を要望していますが、実際に学校等の寮の希望がかなったのは10%にすぎません。
国の支援事業として、高校のない離島からの進学者へ1人年間15万円の就学金支給が国の2分の1の補助で2012年度からスタートしています。しかし、県や市町村が残りの2分の1の補助を予算化しないと、就学支援事業は使えないことになっています。
小中学校の段階では僻地教育振興法等により、給食費や修学旅行費等の補助があるのに比べ、高校進学に際しては大きな経済的な負担を強いられています。高校進学率が9割を越えて久しく、2011年度から高等学校の授業料無償化が行われています。実質的に高校教育は義務教育と同様に見なされている時代に、離島出身の子どもたちや保護者に対する高校進学への負担の格差は大きな社会問題になっています。
沖縄県の全ての子どもたちに平等で豊かな教育を保障するために以下のことを要請します。
記
一、 離島・僻地からの高校進学の子どもたちを対象にした、公立の寄宿舎を早期に建設すること。
一、 就学支援事業に対して、国の制度が全ての対象高校生に活用できるよう、県としても予算措置を図ること。
一、 僻地・離島出身の高校生に対して継続的、定期的に生活相談等を行うため、生活相談員やカウンセラー等を配置すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成24年(2012年)6月22日
沖縄県島尻郡南風原町議会
あて先
沖縄県知事、沖縄県教育委員会教育長
PDF形式… 離島・へき地から高校進学する生徒への支援に関する意見書.pdf |