2003 年 第 3 回 南風原町議会(定例会)  第 5 号 9月25日


 
指導主事照屋誠君

おはようございます。では、質問の(2)からいきたいと思います。達成度テストの平成8年以来目標未達で乱高下しているが、諸対策をどのように評価しているかに関してですが、先ず達成度テストの大まかな趣旨、期日等を説明してから回答、あるいは返答をしたいと思います。先ず達成度テストの趣旨ですが、基礎的・基本的事項の定着を目指し、達成状況を調べ、それをまた分析・まとめて各学年の学習指導計画に取り入れ、あるいは個人の指導に取り入れ、個人の学習指導に使うというのが目的です。そこで、期日が今年12月3、4日に行われます。12月3日が小学校、6年生だけです。中学校は2年生だけです。小中とも一学年だけ行います。趣旨に応じてですね。そこで質問に答えます。目標が平成8年以来達してないということなんですが、先ほども教育長から話しがあったように先ずこれは基本的・基礎的な事項がまだ子どもたちに定着していない状況があります。これは南風原町内だけではなくて沖縄県全体の課題でもあります。ずっと沖縄県は全国平均を下回っていると。最近、最下位を脱したというような話もありますが、まだ全国標準には達していない状況があります。それで南風原町は確かに県平均よりは高いです。いろんな諸テスト、標準学力テスト、基礎学力検査も南風原町は県平均を上回っておりますが、でもあくまで全国と比べた場合に南風原町の児童生徒はまだ達していない状況があって、それも基礎的・基本的事項の定着はまだ不十分だと。何故ならばその基礎的・基本的定着が十分であれば、学年が上がるにしたがって伸びるだろうし、下がることはないだろうと、つまり下がるということはまだ不十分でそのテストでは上がったのに次の学年では下がったという状況が見られます。また学年の雰囲気、学年によっても流れがあります。だから高い場合もあるし下がる場合もある。そういうことで深く考えればやはり全生徒、全児童がこういう基本的なことがまだ不十分だと言えるのではないかと思います。そしてその諸対策の効果はどのように評価していますかの問題ですが、以前の授業は一斉授業が中心でした。そして最近は少人数、習熟度別学級とか、TT授業とか個人の学習指導を工夫する改善するということが中心に行われるようになりました。これは平成8年度からではないですが、14年度辺り、去年か一昨年辺りからです。一応そういう話しはありましたがまだ十分ではなかったということだと思います。そして最近、14年度になって、15年度もそうですが各学校でいろんな取り組みが行われています。少人数、そして習熟度別、そして更に評価の方法も考えております。如何にして子どもたちが自分の長所、欠点が分かるような評価方法、相対評価から絶対評価に変わったという経緯もそういう面もあります。個人をしっかりと見詰め、改善しようという対策が今行われております。あるいは評価されています。それはまた次年度、2年後評価が出るか分かりませんが、確かに子どもたちにとっては少人数の指導というのは非常に効果があると子どもたち自身も感想、評価で述べています。先生が自分の身近にいつもいる、そして自分が分からない時、簡単に質問ができる。というような非常に学習指導が子どもたちにとって良いような方法が行われております。(2)についてはこれで終わりまして、次に(3)に行きます。(3)は平成14年実施した基礎学検査は高学年は実績が下がっているが教育方法に問題はないかということですが、(2)と重複しますが基礎学力テストも達成度テストと同じように基礎的・基本的事項の定着を目指し達成状況を調べるというのが趣旨狙いにあります。そしてこれを個に生かそうと、個人の指導に重点的に持っていこうとのねらいがあります。これからも考えると基礎的・基本的な事項が定着不十分だということが考えられます。そして高学年になるほど実績が下がっているということは、言わば積み重ねの強化もあります。例えば算数ですね。小学校2年、3年で掛け算を習う、本当に基本的なことを習っている。これにつまずいてしまった、といって4年、5年に上がると更にレベルがアップする、それに付いていけなくなる、あるいは中には諦める生徒も出てきます。そういう面でこれはもう学校の見方、あるいは学習指導の課題でもあると思います。そういう低学年、児童が学習をはじめた頃につまずいたところを見逃してしまったというのも課題としてあると思います。この上にちょっとだけ間違ってつまずいてしまった、先生方が声掛けする、残して授業をする、あるいは家庭でも保護者がそういう弱い面、掛け算九九を一緒に見る、そういうところが非常に重要だと思っています。高学年に下がっているのはそういう理由があるのではないかと分析します。因みに、先ほど南風原町は県と比べて高いと言いましたが、去年の12月後半に行われた資料を取り寄せました。小学校が南風原町は37.6、県の平均が37.1、そして中学校は南風原町内が36.4、県が35.1というように県平均は上回っています。しかし、高学年ほど下がっているということはやはり先ほど述べたように基礎的・基本的事項の定着はまだ不十分だということ、これは今後の課題、南風原町のこれからの取り組みとなると思います。(4)知能検査を実施しているがその目的、活用事例、管理法、その効果を問うとありますが、知能検査は大体4月、5月に行われます。全学年ではなくて、これは予算面もありますから各学校で時期的なこと、どの学年をするのかは学校にまかされています。そしてこれの目的ですが、先ず個人の持っている学習能力を知ること、そしてこの個人の持っている能力を上手く平生その授業で生かしているか、そういうような参考資料になります。たとえばこの子は知能は高い、あるいはそういう学力を期待されるのに実際テストでは下がっていたと、そういう場合この子に個人的な指導が行われます。あなたはそういう素質を持っているんだけど実際テストでは下がっている、もっとこれを努力することが必要です、というような指摘ができます。そして親に対してもこの知能検査というのはマル秘ですが個表もあります。児童生徒自身にもあげます。保護者ももちろんですね。児童に持たせるならば親もそういうのを見ると思います。ですから親自身も教師も自分の子ども、あるいはクラスの子どもに対してこの子どもの弱い点あるいはもっと力を出すべき点を指摘、あるいは援助、頑張らせることができます。その中で保護者に言う場合、あるいは子どもに言う場合、あなたは知能指数は低いですということは言ってはいけなくて、この子をあくまでも励ますための資料として使っています。知能指数に良い面が出てきます。これは業者がやるものですが、評価された文書が出てきます。その文書の良い点もあります。この子どもの良い点を見つけ励まし意欲を促すということも非常に重要な資料となります。そしてこの管理方法はマル秘で、皆には公表しませんし、担任、子ども、あるいは保護者の三者での情報交換となります。ですからこれはあくまでも個人を高めるため、個人の良い点の材料を見つけるためと考えています。
 次ですが、学力評価方法の研究開発を2ヶ年にわたり重点施策としているが、開発の考え方及びその進捗を問うとありましてそれについて答弁します。先ほど評価方法は研究開発が2ヶ年にわたりとありますが、これは平成14年度から学習指導も新しく変わりまして評価方法も変わりました。相対評価から絶対評価に変わりました。相対評価というのは、同学年の中での順位に評価する、つまり集団に準拠した評価方法です。人数の中で何割は1、何割は2、何割は3というように、人数によって割り当てられています。ですがこれの欠点はいくら頑張っても他の人が頑張れば上がれないという状況があります。例えば1、2の人が頑張ったけど他の3、4、5の人たちも頑張った、結局この生徒は1になるわけです。全体に対しては点数的に見るとまだ下位のほうですから。そういう欠点がありました。そこで相対評価に対して絶対評価があります。絶対評価は各教科に目標というものがあり、その目標に準拠した評価です。つまり、学習指導要領の中に学習の指導する内容があり、その中にまた基礎的・基本的な事項内容があって是非これは児童生徒に分かってほしい内容です。この内容のことを基礎的・基本的事項というんですが、その目標を達成した生徒は人数に関係なく上がっていきます。ですからこの頑張った生徒にはそれなりの励ましと喜びがあるわけです。そういう利点があります。これは相対評価が悪いということではなくて、絶対評価のほうが個に対して指導する場合に励ましとか努力を要する点、そしてこの生徒の弱点となるところがはっきり分かります。そういう面で相対評価より絶対評価のほうが良いだろうということでそのように変更になっております。そしてその進捗を問うとありますが、その評価をして例えばどのように生かすかというと、教師が自分の授業を反省し次の授業を改善します。例えば観点別に評価があります。今、通知表というものがありますが、これも変わっています。前はすぐ5、4、3と数値的にありましたが今は項目的に興味関心、そして表現工夫、科学的な思考力、知識的なものというふうに非常に細かく分析されています。そしてこれにABCの3段階に分けていてそこから保護者も個人も自分が劣っているところはこれだなということが分かってきます。そしてこれをまた改善するために生徒は頑張ります。次により多くの生徒が目標を達成できるよう、個人もそうですが先生方も指導計画を改善します。以上で学力評価についての回答を終わります。以上です。