2000 年 第 1 回 南風原町議会(定例会)  第 1 号 3月9日


返答 
町長城間俊安 しろまとしやす
おはようございます。平成12年町政一般報告をいたします前に、今定例会平成12年度の予算をあずかる1年の総決算だという気持ちで、皆さん方に対して本当に忙しいところ出席いただき、また、皆さん方のご指摘、ご指導を仰ぎながら3月定例会を乗り切り、また、12年度の予算に反映させていきたいと思っております。では、平成12年町政一般報告をいたします。
はじめに総務部 総務関係について申し上げます。
男女共同参画型の社会をめざして、これからの福祉、環境、教育等多くの課題を抱えており、豊かな活力のあるまちづくりをめざして男女がお互いに力を出し合って取り組む姿勢が求められています。このような社会の実現のための指標となる行動計画「南風原町男女共同参画社会行動計画」(仮称)を平成13年度中に策定をめざしています。
その素案づくりのため、平成12年1月に「南風原町男女共生社会を創る懇話会」を設置し、15人の委員に委嘱状を交付しました。今後、3部会(地域、家庭、職場)に分かれ地域にあった実態把握をし、真の女性の地位向上を図り、男女共同参画による地域づくりを進めてまいります。
九州・沖縄サミット関係について申し上げます。
「美ら島沖縄2000年サミット・クリーンアップ大作戦」の名の下に1月23日当町でも、一般町民をはじめ、はごろも通り会、国道東通り会、役場通り会、かすり通り会、津嘉山大通り会の会員の方々と他17団体で約250名の参加のもと空カンを拾い集めた結果ピックアップ車1台分と不燃ごみ2t車1台分が処理され町がきれいになりこの場をお借りしてお礼申し上げます。
去る2月25日(金)から27日(日)午前10時から午後6時まで中央公民館においてカナダの伝統文化を紹介するため講演会・物産・観光・映画・サミットの各コーナーを設け「G8サミット文化フェスタ・カナダ展」が開催されました。当初のオープニングセレモニーはあいにくの雨にもかかわらず、メルビン・L・マクドナルド在日カナダ公使をはじめ、県サミット推進事務局の池原次長、三木 健琉球新報常務取締役、木村茂人カナダ物産振興会長、金城道雄沖縄サミット南風原町民会議会長、大山盛稔沖縄カナダ協会会長、ハート型の「世界に夢」をいただいたイラストが可愛いサミットポスターを制作した南風原中学校3年生瑞慶覧章子さん他各小中学校の児童生徒会長6名で、総勢14名によるテープカットがあり、またサミット参加国の国旗の旗手を小学生アイスホッケーチーム「南風原ドラゴンファイヤーズジュニア」の皆さんにつとめていただき、また最後に南風原幼稚園児によるカナダ国旗をふってテープカットの皆様を見送ったのは感動的であり参加者の方々から大きな拍手がありました。また3日間の外来者は町内外を含め3日間で約1万500人の参観があり大いに盛り上がり、カナダの文化の一端を知ることができたものと思います。
企画財政課関係について申し上げます。
土地利用対策についてご報告いたします。南風原インターチェンジ周辺の開発につきましては、農村活性化土地利用構想の中で活性化に資する施設としてダイエー南風原ショッピングセンターを位置づけてきたところでございます。しかしながら事業主の(株)ダイエーから、去る1月14日に出店計画の変更(開店日の変更等)の申し出がございました。計画変更の理由は事業主の諸般の事情と、出店予定地周辺の道路整備計画の進ちょくが遅れたため、大店法に基づく結審内容では開店できなくなったとしています。町としましては、農村活性化土地利用構想の有効期間が平成16年1月(5カ年間)までとなっておりますので引き続きダイエー南風原ショッピングセンターを核とした開発を推進してまいりたいと考えております。
南風原町ふるさとづくり推進事業の進ちょく状況について報告いたします。 この事業は、平成9年度から平成11年度の3カ年で総額3,000万円をふるさと創生基金から支出し、字及び自治会が地域住民の連帯感の醸成につながる計画を、自主的に立案して実施する事業に対し助成しているものです。
事業の状況を申し上げますと、平成9年度は、7自治会で延べ12事業(3,362,000円)、10年度は11自治会で19事業(9,920,630円)が執行されました。11年度は14自治会で39事業(16,703,409円)が申請されております。これまで3カ年の事業内容といたしましては、「まちづくり事業」が18件、「人材育成事業」が13件、「文化イベント活動事業」が19件、「健康づくり事業」が20件となっております。
現在の執行見込み額は、全体の配分額3,000万円のうち29,986,039円で、執行率99.95%であります。なお、未執行の分については、今年度中に執行できるよう進めております。
次に南風原町公共施設整備計画検討委員会からの中間報告について申し上げます。
去る2月21日に委員会から中間報告を受けました。内容としましては、公共施設の基本的な構想、建設位置の選定についての審議の内容、それからこれまで6回の委員会で審議に上がった公共施設の状況等の審議の報告を受けました。それに対し、数ある公共施設の中で優先する施設のある程度の方向性や、建設場所についてのアドバイスし、早い時期に委員会としての答申を出すように指示したところであります。
なお、報告の中のアドバイスというのは、公共施設の建設については各部の抱える多くの施設計画の中で早期建設が求められている、図書館、文化センター、保健センターに絞って検討するよう指示しました。また建設用地については、4箇所の用地、ひとつに黄金森公園用地の南風原中学校側の体育館予定地、また2つ目には黄金森公園用地の野外ステージ予定地、3点目には悲風が丘の周辺の用地、4点目には中央公民館駐車場用地について審議されておりまして、もっとも可能性がある用地について検討するよう指示してあります。
次に民生部 長寿介護課関係について申し上げます。
介護保険のサービスを利用するために必要な要介護認定の申請及び認定審査の状況をご報告いたします。
2月末現在の要介護認定の申請者数は、在宅251人、施設161人、計412人が申請し、これに係る認定審査会を18回開催し、332人の認定審査を行っております。
この審査判定の結果は、要支援(40人)、要介護1(95人)、要介護2(50人)、要介護3(46人)、要介護4(66人)、要介護5(23人)、非該当(12人)であります。
次に老人保健福祉計画及び介護保険事業計画の策定でありますが、8回にわたる策定委員会での審議をもって当計画書が策定され、その答申を2月25日に受けたところであります。これにより本町の第1号被保険者(65歳以上)の払う保険料の基準額は月額3,437円となる見通しであります。
在宅の高齢者の生きがいづくりの一環として、各字公民館等を実施拠点とした生きがい対応型デイサービス(ミニデイサービス)を宮城、宮平、津嘉山、山川で実施いたしました。今後、他の地区で実施しているランチタイムゆんたく広場をミニデイサービスに事業転換し実施する運びであります。
次に国民年金事業についてでありますが、この運営に当たっては、被保険者の年金受給権の確保のため、加入促進や保険料の収納向上及び周知・啓発に努めているところです。
平成12年1月末現在の推定被保険者数は7,018人、検認対象月数39,908月、検認実施月数は26,574月で検認率は66.6%となっており、前年同月末に比べ検認率は7.3%伸びております。また、保険料免除については、法定免除417人、申請免除1,966人、計2,383人で免除率は33.9%であります。
しかし、平成10年度末の無年金者(年金受給できない者)は103人で、無年金者予備軍も1,016人であります。ちなみに、国民年金の受給者数は3,234人、その受給者は21億500万円となっております。
次に環境保健課について申し上げます。
条例制定以前の「資源ごみ袋、有害・危険ごみ袋」売上分の町民への還元についてであります。還元の方法につきましては、関係団体との意見交換会を開き、内部で検討を進めまた、区長会でもその事情を説明して意見を聞き各区長(自治会長)のご了承を得まして各自治会にごみ袋で還元する方向で進めております。

那覇市・南風原町ごみ処理施設事務組合関係について申し上げます。
去る2月17日・18日の2日間にわたり那覇市内の自治会館で事務組合議会臨時会が開会されました。提案議案21件、全て可決されました。また、事務組合議長に那覇市の我那覇生隆議員、副議長には本町の玉城 勇議員、そして監査委員の選任について識見を有する者のうちから幸地啓子税理士、組合議会の議員の中から選任する監査委員には本町の金城重芳議員が選任されましたことを併せてご報告いたします。
次に経済建設部 経済振興課について申し上げます。
ゴーヤー産地育成対策事業も6人の生産農家で構成され、昨年11月着工し、この度竣工しております。これからは、普及所・農協の指導のもと、生産の効率化を図り、収益の高い経営ができるものと、生産農家も喜んでおり、町も成果に大きく期待しております。
また、琉球かすり・南風原花織の振興を図るべく、沖縄県、沖縄工芸振興センター等の協力を得て、絣事業協同組合が意匠開発事業を実施し、その発表展示会と、琉球かすり・南風原花織の展示販売会を、去る2月1日~2月3日までの間、京都の産業会館にて開催されました。この機会に、本町としましては展示販売会、販路開拓事業へ財政的支援を行うと同時に、問屋等関係業界へ本町の琉球かすり・南風原花織の宣伝普及活動を実施してまいりました。なお、展示、販売会では、500反余の販売ができたと、報告を受けており、これからも機会あるごとに宣伝普及、販路開拓に努めたいと考えております。
工事関係について申し上げますと、神里地区畑地かんがい工事、1号集落道整備工事、集落排水整備工事(2工区)及び2号排水路及び防護柵設置工事については、工事期間中は地域の皆さんにご不便をおかけしましたが、各々竣工し喜ばれております。また、集落排水整備工事1工区については出来高76%となっており近々竣工いたします。
また、集落排水整備工事の3工区、4工区の請負契約の変更と債務負担行為による集落排水整備工事の請負契約について、今議会に提案いたしますので、よろしくお願いします。
建設総務課関係について申し上げます。
道路整備(改良)事業についてご報告を申し上げます。
まず先に工事発注いたしました。町道1号線(与那覇地内)、町道128号(大名地内)、町道197号線(宮城地内)の地域ネットワーク道路整備及び改良工事については、工期内工事完了をしております。
次に下水排水路工事について申し上げます。与那覇、津嘉山地区(その1、2)新川、山川地内、の排水路工事についても工期内工事完了を終え地域の皆さまからも喜ばれております。
また、町道22号線の改良工事につきましては、工事と並行して用地交渉を進めてまいりましたが、地権者の同事業への理解が得られまして、用地買収を完了しております。これまで用地買収にたずさわられた、関係者の皆様には、厚くお礼申し上げたいと思います。今後は、工期内工事完了に向けて全力投球で工事を進めていきます。
最後に、安里又川災害復旧工事について申し上げます。災害査定も無事終わりましたが、諸般の事情により平成12年度に工事を行う予定です。

都市計画課関係について申し上げます。
まず中央育成園裏斜面地の地すべり対策でございますが、国庫補助事業の「災害関連緊急地すべり対策事業」として1月に1工区(横ボーリング工事、一部抑止杭の打ちこみ工事)、2月に2工区(崩落防止のり枠工事、その他対策工事)の本格工事を発生した旨、南部土木事務所から連絡がございました。
次に宮平学校線についてご報告いたします。宮平学校線については調査測量及び国道329号交差点の設計協議等も終わり、3月8日には宮平公民館で地権者をはじめ関係者の皆さまへ、つぶれ地及び事業の説明会を実施したところでございます。平成12年度からは用地、物件について個別に交渉に入っていきたいと考えておりますので、地権者をはじめ地域の皆さまのご理解のほどをお願いいたします。
那覇空港自動車道の桁下テニスコート設置工事についてご報告いたします。桁下テニスコートについては昨年12月に工事を発注し、トイレの設計変更で若干調整中ではございますが、本年4月の供用開始をめざして努力しているところでございます。
那覇広域都市計画市街化区域及び市街化調整区域の変更(第3回線引き見直し)についてご報告いたします。今回の市街化区域と市街化調整区域の線引き見直しでは、本町は0.4ha(字本部区)が市街化区域に編入予定となっており、それについて県知事から意見の紹介がございました。そこで去る2月15日に町都市計画審議会を開催し、今回の線引き見直しを諮問いたしました。審議の結果、異議なしの答申がございましたので、その旨県知事に報告をしたところでございます。
次に黄金森公園陸上競技場の整備状況についてご報告いたします。黄金森公園陸上競技場整備工事(1工区)及び(2工区)につきましては、擁壁等の追加変更のため翌年度への繰越明許で対応したいと考えております。なお(1工区)、(2工区)とも本議会に請負契約の変更を提案してございますので、よろしくご審議のほどお願いいたします。
神里ふれあい公園整備工事についてご報告いたします。本年度が事業最終年次である同公園の整備については順調に進ちょくしておりますので、引き続き本年4月の供用開始をめざして努力をしてまいります。
公共下水道事業についてご報告いたします。先ず11年宮平汚水管布設工事(その1)が竣工し、去る1月20日に完了検査を行いました。11年兼城第2汚水幹線工事は進ち
ょく率が95%でございます。それから11年山川汚水管布設工事(その2)及び(その3)、11年宮平汚水管布設工事(その2)はそれぞれ工期内竣工で鋭意努力をしているところでございます。
次に南風原町排水設備工事指定店規則の改正についてご報告いたします。今回の規則改正は、指定店が県内で広域的に活動できるようにすることを目的として、都道府県単位の責任技術者資格試験を統一的に実施したこと等に伴い、沖縄県の標準的な規則を基本に指定店規則を改正するもので主な内容は指定店の指定要件等で「沖縄県に営業所があること」等としております。
なお、この改正規則は本年4月1日の施行予定でございます。

津嘉山北土地区画整理事業について申し上げます。
まず物件補償業務について申し上げます。
これまで精力的に物件補償交渉を実施してまいりまして権利者のご理解、ご協力により、9件の建築物の補償契約と10件の借家人補償契約を締結しておりますが、建築物補償につきましては3月中までの建築物が撤去できない状況のものがあり一部は契約繰越となる物件が出てくるものと思われますのでよろしくお願いいたします。
それから工事につきましては、目に見えるような大きな造成工事はありませんが地権者の同意を得て2件の工事を発注いたしておりまして、3月の上旬にも2件の造成工事の発注を予定いたしております。したがいまして工事につきましても契約繰越となりますので補正予算として繰越明許費補正予算を提出いたしておりますのでよろしくお願いいたします。
次に教育部 教育総務課関係について申し上げます。
はじめに、学芸会が去る1月30日に南風原小、津嘉山小、翔南小の3小学校、2月6日の日曜日に北丘小学校で開催されました。各学年とも全員による合奏やダンス、劇などそれぞれの学年の発達段階に応じて取り組まれ、6年間の成長の過程が見られました。子どもたちは全員が精一杯の好演で参会者に大きな感動を与えました。
次に幼稚園の生活発表会が去る12月18日に3園(南風原幼稚園、津嘉山幼稚園、北丘幼稚園)で、2月5日土曜日に翔南幼稚園でそれぞれ行われました。ダンスや一輪車乗り、コマまわし等、日頃の幼稚園生活を通しての園児の小さな体いっぱいの表現に、会場は笑いと感動に包まれました。
子どもたちの1年間の成長の大きさは、想像以上のものがあり、参会者に感動を与えた一日でした。
また、少子化対策事業の教育委員会への割り当て額3,700万円の執行状況については平成12年2月末日現在で全体予算額の約95%の執行率となっております。具体的には、町立幼稚園4園に係る需用費(520万円)の執行率が95%、工事請負費(1,439万円)の執行率が98%、備品購入費(1,200万円)の執行率が98%となっております。
私立「開邦幼稚園」の教室規模拡大のための541万円の補助金についても3月上旬には完成見込みのようですので、平成11年度内には少子化対策の全事業が計画通りに執行される予定であります。
津嘉山小学校の教育環境整備工事については、当初予定の工事を去る12月末に完了させ、現在2月3日の臨時議会で議決して頂いた予算の執行に当たっているところですが、実施設計は完了したものの、屋外運動整備工事等との関連があり、平成12年度へ繰り返すことといたしました。
また、津嘉山小学校屋外運動場整備工事についても、去る臨時議会において、予算議決されたところですが、3月上旬には実施設計が完了の予定ですので、3月15日頃には屋外運動場整備工事をはじめ体育用具室、照明施設等の工事現場説明等に着手することになっております。
従って、全ての工事契約は、平成11年度内に予定されておりますが、各工種の工事については、前述の環境整備工事と併せて全て繰り越すこととなっておりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

生涯学習振興課関係について申し上げます。
1月9日の初春を飾る新春マラソン大会は、悪天候にもかかわらず小学校低学年から一般まで160人が参加し、1年の出発を走ることを通して健康を祈願した走り初めを楽しんでおりました。
また、ソフトボールを通して、お互いの親睦と健康づくりを図るとともに、各地域、各年代の交流を深めようと1月23日に30代・40代ソフトボール大会が開催されました。それぞれ熱戦が繰り広げられ、参加者は、さわやかな汗を流しスポーツ交流を楽しんでいました。
また、2月12日、宇宙について興味、関心を持たせ、天体学習について意欲を高めることを目的として玉城少年自然の家において「冬の星座教室」を開催しました。しかしあいにく天気が悪くプロジェクターを使った星座教室となり天体望遠鏡が利用できなかったことは残念でした。
青少協関係では、2月13日に各字(自治会)、子ども会対抗による「スーパーフットベースボール大会」を開催いたしました。今回は、13チームの参加で180名余の子どもたちが参加しグラウンドいっぱいに歓声を上げ、スポーツの楽しさを思う存分満喫しておりました。
また、中央公民館では、去る3月4日、5日の両日に亘って「町民参加による地域文化の継承と創造」のテーマのもとに「第22回公民館まつり」を開催いたしました。展示の部・発表の部に多くの町民が参加をし、町民に大きな感動を与え、盛会裏に終了することができました。7回目を数える「ウチナーグチ大会」も小学生の部9名、中学生の部4名、一般の部4名が参加をし、それぞれが熱弁をふるい、審査員からも高い評価を得ております。
今後とも、生涯学習の拠点として、町民に親しまれる公民館づくりとサービスの提供に努めてまいりたいと思います。

学校給食調理場について申し上げます。
最近、学校給食でも使用されているポリカーボネイト製食器に関しての内分泌かく乱物質(いわゆる環境ホルモン)が人体に影響を与えるメカニズムについて、科学的に未解明な点が多いことから、今後の研究を待たねばならないが、学校内におけるこれらの物質への不安を解消するために、食器改善事業として、はし、配膳盆等の購入費283万3,000円、また衛生管理の充実を図るため、汁しゃくし、ステンカイ等の調理器具消毒保管庫購入費として、250万円を計上してございますので、ご理解ご審議下さるよう宜しくお願い申し上げます。
ハワイ沖縄県人移民100周年記念祭に参加して4000マイル以上も離れたハワイの島々に、なぜこれほど多くの沖縄県人が渡っていったのでしょう。なぜ祖国を後にし、見知らぬ異国の地に新天地を求めたのでしょうか。そしてどのように生き延びてきたのでしょう。
1800年代の琉球の島は、資源に乏しい上、台風が頻繁に島を襲い、農作物や民家に壊滅的な打撃を与えていたと聞かされています。
琉球の指導者らは1890年代に人口の増加に対して、今後どのような対策が必要か深刻に考えていました。その時に持ち上がったのがハワイ移民です。海外移民の父と呼ばれている公民権運動指導者の當山久三氏は、ハワイを絶好の移民地と判断し、砂糖耕作地での労働を希望する人々を契約労働移民として現地へ送りました。
渡航手続きの際に、沖縄の方言は大きな壁にあたりました。方言はまず日本語に訳され、その後に英語に翻訳されました。漢字の読み方が日本語と異なることもあったので、一部には氏名が間違って登録され入国を拒否される方もいたと聞いています。
また、ハワイでの労働条件は極めて厳しいものがありました。1日10時間労働で、昼休みは30分しか与えられず、報酬は15ドルでありました。明け方から日没まで砂糖キビ刈り、運搬用列車への積み込み作業などの重労働、そして非人道的な扱いもあったと聞かされています。
拘束の地での生活は、祖国で思い描いていたものとは大きく異なっていました。しかし、厳しい労働や生活条件、低賃金、ルナによる虐待、文化的習慣の違いによる差別などという逆境は移民らの団結心をさらに強めました。彼らは、さまざまな苦難に耐え、子どもたちとそれに続く世代のために、より良い生活の足がかりを築き、自らが祖国から携えてきた文化に誇りを持ち続けてきました。
砂糖キビ労働者としてハワイの地に降りた祖先は、今日においては教育者、芸術家、政治家、医師、弁護士、判事、経営者など様々な分野に広がり、ハワイ社会の一部を支えています。これまでのご苦労に対し感謝の気持ちでいっぱいです。
さて、私たちハワイ訪問団77名は、1月7日午前9時50分にホノルルに到着し、南風原町人会長のウィリアム赤嶺さんら7名から出迎えを受けました。会長らはかすりのハッピ姿で町旗を持ち、私たちに歓迎のレイをかけてくれました。心から嬉しく思いました。それからパンチボールの丘、州議事堂、イオラ宮殿などを視察しました。
2日目は、10時から、ハワイ沖縄県人移住100周年記念祭の開会式および慰霊祭で、メイジーヒロノ州副知事、ホノルル市長などの祝辞をいただきました。夜はシェトラントワイキキホテルで祝賀会が開催され、県人会や町人会の方々と交流をしました。その中で喜屋武出身のヨシノブ大城さんが教育者として会場内で紹介されたことは、私たち南風原町民として誇りに思いました。
祝賀会では、日本語の話せない世代の方々が、琉装で四つ竹などの芸能を披露しました。また、県人の芸能団との交流を見て、ハワイでのウチナー文化の継承に深い感銘を受けました。異国の地での県人会の団結力を見せてもらいました。
3日目はオアフ島一周視察、県人企業訪問、真珠湾および資料館、ドールパイナップルフィルド、ワイメアフォールズパークなどを視察しました。
4日目はハワイ島へ渡り、ナニウマ植物園、オオシロファーム、マカデミアナッツ工場、キラウエア火山、カラバナ黒砂海岸などを視察しました。
5日目は町人会との交流会がありました。私はまず、第二次大戦後、南風原が復興をとげるなかでハワイの南風原出身者から多大な援助を受けたことに対し感謝のことばを述べました。また、今日においては町内の子どもたちがハワイ研修をする際にホームステイなど多大なご協力をいただいていることに対してお礼を述べました。ハワイ町人会のご協力で青少年の国際的人材育成が成果を上げていることはたいへん意義深いものです。
私は全日程を終了し、1月13日に帰沖しました。今回のハワイ訪問で、ハワイ県人会、南風原町人会が団結して活躍している姿を見ることができました。また町人会においては、いろいろな方々と名刺交換をさせていただき大きな収穫を得ました。
来年の世界のウチナンチュ大会には、ひとりでも多くの南風原町人会が参加することを願っております。このような素晴らしい日程に参加させていただいたことに深く感謝を申し上げ、今後の私の職務に大いに生かしていくことを決意し報告といたします。
以上を申し上げ町政一般報告といたします。